12月のご挨拶
皆様、師走の候、いかがお過ごしでしょうか。
一年の締めくくりとなる12月は、過ぎゆく日々を振り返り、感謝の念を深める時期でもあります。この一年、皆様にとってどのような出来事があったでしょうか。喜びや悲しみ、出会いや別れ、さまざまな日々が皆様の中に刻まれていることと思います。
仏教では、12月8日に「成道会(じょうどうえ)」が営まれます。
お釈迦様は29歳のときに王族の身分を捨てて出家し、6年間の厳しい苦行を続けられました。しかし、極端な苦行では真理に到達できないと悟り、中道の道を歩まれます。その後、菩提樹の下で深い瞑想に入り、明けの明星が輝く頃、ついに悟りを開かれました。この瞬間がお釈迦様の「成道」の時であり、その日を記念して成道会が行われるのです。
お釈迦様が「成道」され説法の旅を過ごした時代は、現代からはるか昔の紀元前のお話です。しかしながら、その教えは脈々と受け継がれ、現代においても心の平安を示す指針として残り続けています。紀元前からは想像が出来ないほど、生活環境が変容しました。しかし多くの情報や価値観に囲まれ、心の迷いや不安を感じやすい環境にさらされる現代においても、お釈迦様の教えに触れることで、自分自身を見つめ直し、真の幸せとは何かを考える貴重な機会となります。
年末の忙しさに追われる中、一度立ち止まり、心静かに自分自身と向き合う時間を持ってみてはいかがでしょうか。感謝の心を持ち、新たな年に向けて心の準備を整えることで、より充実した日々を過ごすことができるでしょう。
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
合掌