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人に生まるるは難く、
いま生命あるは有難く、
世に仏あるは難く、
仏の教えを聞くは有難し。

-法句経-


人生はなかなか思い通りにはならないものです。何かあるたびに私たちは憂い、悲しみ、苦しみ、悩みます。心の傷が避けられないものだとしたら、いったいどうすればいいのでしょうか。

ブッダ釈尊の教えは、そんな私たちを前向きにしてくれるものです。

どうしても避けられない事は、「無常の現実」として受けとるしかありません。しかし、無常なる現実をただ嘆くのではなく、これが人生のあり方なのだと受け止め、それを乗り越えていく強さを持つように、とブッダ釈尊は説いています。

「安心」という言葉は皆様知っているかと思います。これは読んで字のごとく、「心の安らぎ」という事です。

実はこの言葉はもともと仏教の用語で、「あんしん」ではなく、「あんじん」と読みます。

意味も少し違っていて、心に何の迷いもない不動の境地を 「安心=あんじん」といいます。

人生を前向きに生きていく知恵と力を備えつつ、様々な喜怒哀楽の出来事を喜びをもって受け止める生き方を、仏教では「安心の人生」と言っています。

ですが、そのように生きるのは、大変難しい事です。何故かといえば、悲しさや苦しさを喜んで受け入れるには、自らの努力だけではなく、「良い縁」に恵まれる事も必要だからです。
難しいだけに、もしそのように生きられているのであれば、それは「有難い」というほかありません。その「有難さ」に気づいた人は、仏の教えを始め、様々な事に出会えた事を感謝し、人間として生まれた縁に喜びを感じるのだと思います。

そうした生き方が可能となるのは、私たちが「人間」として生まれてきたからなのです。

ブッダ釈尊の教えの中には、私たちを前向きにしてくれるものが沢山あります。より良い人生になるよう、ブッダ釈尊の教えを知りながら日々過ごしてみる事も大切な事かもしれません。

益々暑くなる季節、これからも皆様が心身共に健康に過ごせます事をお祈り申し上げます。

合掌

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