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10月に入り、日中はまだ暑く感じる日がありますが、朝晩は過ごしやすくなり、秋を感じる季節となりました。
さて、「秋」を表現する言葉には、様々なものがあります。「実りの秋」「収穫の秋」「天高く 馬肥ゆる秋」「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」、この他にも多くの言葉で「秋」が表現されます。
日本人は、元々農耕民族でもありますので、春の種まきから、夏の暑い日々に汗水を流しながら作業に励み、その労苦が報われる秋を迎える事ができる喜びを、多くの言葉で表現してきたのではないでしょうか。そしてやがて迎える冬の厳しい時期に備え、収穫した実りを、冬の後にやってくる春に向けて準備を行ってきました。

この「豊かな四季の流れ」を仏教の教えの中で「因・縁・果」に譬えてみましょう。
冬の中で行う春への備え準備、春の種撒きを「因」とすると、梅雨の雨、夏の日差しなどを「縁」として成長して、秋の実りを「果」とすることができます。その秋の「果」をまた「因」として「縁」の恵みを受けて、「果」をいただく事ができます。
もし、冬から春にかけての「因」を怠ってしまうと、いくら成長するための「縁」があっても、実り多い「果」を得る事が難しいでしょう。厳しい冬の間に行う、春へ向かう為の備え・準備が大切になります。
「因」は「想い・意思・行動」に、因に応じて現れる「縁」は「環境・機会・眼に見える現象」に、その因と縁が合わさり「果」が生じるとも謂えるのではないでしょうか。
この「因・縁・果」の流れは、私達は、普段余り意識する事がありませんが、脈々と受け継がれてきた「命」にもあてはまります。

お経の中に「人身受け難し(じんしん、うけがたし)」という言葉があります。これは、「私」という存在がこの世に生を受けた不思議を表しています。地球上だけでも無数の生物が存在し、それぞれの生を営んでいます。
この全生物のそれぞれの生も、よくよく観てみると、とても不思議な成り立ちをしています。その中で私たちは人間として、今ここに生きていることは、正しく不思議のきわみでもあります。

私達があるのは、とてつもなく多くのご先祖様が、その時代時代を私達と同じように、懸命に生きてこられたお蔭なのです。もし、この中のお1人でも欠けていたら、今の私は存在する事はできません。私達はその遺伝子DNAを受け継いでいます。今ここに生きていることは無数の「縁」が不思議に結びついた結果です。偶然の産物ではありまあせん。

自分が生まれようとして生まれたわけではないこの人生は、誕生から大いなる奇跡です。それはまさしく「人身受け難し」というほかはありません。

今年も残り3か月となりました。今年のお正月には、年頭に様々な願いをたてられた方も多いかと思います。どうぞ、年頭の願いの成就の為、良い「果」が実るために、良い「因」をしっかりと撒けているか、そして周りのお蔭である良い「縁」に気づき、縁に生かされ、縁を生かしきれているかを今一度省みられて下さい。
そして、まだ充分な事ができていないと感じられる時は、改めて想い「因」を見直されて、行動(種蒔き)してみて下さい。この秋が、皆様にとって実り多きものである事を心よりご祈念申し上げます。

合掌

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